2006年 東京都U−17選手権「新人戦」
・さぁ、本当の勝負はここからだ。実際、毎年横河武蔵野との試合は非常に厄介である。全員守備、早いプレス、スペースを一切開けない組織。どれをとっても嫌な相手だ。
前もPK戦になったりと横河には何か苦手意識があるんだよなぁ・・・今日は早めの先制点が大きくなるぞ。ちなみに横河は杉並相手に2−0だったので得失点差は有利だ。
ヴェルディ元土グラウンド
東京ヴェルディユース |
VS | 横河武蔵野FC |
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柴田 峡 | − | 監督 | |
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高木 駿 | 1 | GK | |
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笠松亮太 | 2 | DF | |
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古川将大 | 15 | DF | |
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金沢真吾 | 5 | DF | |
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古川圭司 | 23 | DF | |
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奥田大二郎 | 17 | MF | |
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高橋大樹 | 25 | MF | |
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小林裕紀 | 7 | MF | |
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河野広貴 | 13 | MF | |
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成田久人 | 19 | FW | |
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征矢智和 | 32 | FW | |
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・昨日と同じでシステムは通常の4−4−2。ただ、河野が例の如く走りたくって仕方の無い選手。そのため、オリジナルポジションがほとんどFWの位置になっていたので3トップ仕様にも見えた。中盤も攻めあがって攻撃的になるため、
昨日と同じでバルセロナっぽくも見える。やっぱ、まぐの頭がWCCF仕様になってるせいもあるか。
征矢 成田 征矢
河野 成田
河野 裕紀 圭司 大樹 裕紀
攻 ↑↑
→撃→ ↑↑
大樹 奥田 時 ↑↑ 奥田
↑↑
↑↑
圭司 笠松 金沢 笠松
金沢 マサ マサ
高木 高木
・日頃、そんなに集中してみていなかったFWの成田。今までも途中出場ではたびたび出番をもらっていたのだが、余りネタもなくスタイルすら掴めていなかった。今日は願っても無いチャンス。開始から数分、成田の動きをじっくりと観察してみる。
結構、サイドへ開いたりフォローに動いたりと献身的なFWでした。昔ながらのウィングというか右サイドを中心に色々ともらう動きをする選手だと分かった。さぁ、後はネタだけだぞ。
・そんな成田からのチャンス。さっきまで右に居たかと思ったら今度は左へ。左サイドの裏へ抜け出した成田から征矢へセンタリング。これはあっさりとDFにクリアされてしまう。今度は右から笠松がオーバーラップ。ファーサイドの征矢がしきりにアピールしてマークを引き付ける。
これを見た笠松がニアサイドへスルーパス。DFの裏を書いたパスもニアに走った成田には届かずGKへ。ここまで攻めのカタチだけは何本も作れている。うんうん、いつもの横河相手だとラストパスすら攻めあぐねてしまうだけに序盤はなかなかだ。
・「おーいっ!ちびぃー!ちびぃー!!」・・・ん?ちびは今頃グァムだぞ。って呼ばれてるのは河野の事。ま、確かにユースでは一番小さいかもしれないが、それにしては安易なニックネーム「ちび」。「ちび♪ちび♪慌てないでぇ〜♪ 男同士のいんふぉめーしょーーんっ♪」なーんて歌を歌っても
今のユースっ子じゃバービーボーイズなんて知らない世代さ。そんな河野がちびちび言われながらも左サイドからえぐって一人でミドルシュートまで持って行くが外へ。
・「大樹ぃーっ!!動けよ!お前ぇーっ!!」おお、何だか懐かしい響き。この声はきっと和哉さんだ。大樹も2度目の必殺「のどトラップ」で場を盛り上げるしか手が無いか。次第に横河が守りのリズムを掴んでくる。ある程度はフリーにしてもいいけれど、この怪物FWだけは仕事をさせない・・・
そんなカタチになってきた。現に征矢がボールを持つと3人がかりでつぶしに来る。何か他に無いものか・・・。
・左サイドを中心に攻めが展開される。左サイドバック超攻撃的な花の圭司からのクロスボール、これを征矢へ2度通そうとするがDFはマークを決して外さない。圭司と河野で左サイドの深いところまでゆうにえぐれる。しかし、最後のフィニッシュの時に中央が堅い横河を崩せない展開が続く。
そもそも、横河は上背、フィジカル、ゾーンなどは完璧。穴が無いためになかなかシュートすら持っていけないのが実状。後は集中が切れなければ・・・・。
征矢 山村 征矢
河野 山村
河野 裕紀
攻 金沢 裕紀
→撃→
金沢 奥田 時 奥田
成田 笠松 成田 笠松
寺田 マサ 寺田 マサ
高木 高木
・な、何故だ。ケガしてもしていたのか・・・ここまで攻撃のリズムを一番持っていた花の圭司にかえて山村。さっきから動けと怒られていた大樹にかえて寺田を投入。花の圭司をかえた理由は何だったのか・・・。
・交代して直後、河野と征矢のパス交換から飛び出した山村がGKと一対一・・・しかし、これはオフサイド。二列目からの飛び出しに定評のある山村。こういう飛び出し行為は非常に面白そうだ。その後、右サイドからのクロスを
ボレーで狙うなど積極的。
・こんな緊迫した場面でもネタは忘れない。あまり、ボールを触れない征矢が左サイドに開いてボールをキープ。そこから中央へ切り込んでスルーパス。誰もがドリブル突破だろうと思っただけに横河も対処していなかった。後ろから走ってきたのは色気づいた男「奥田」。ここで決めて一発
ユースアイドルの座を俺が手に入れるんだっーーー!!で空振り・・・うん、やっぱ奥田はネタ王だよ。これに釣られたのか、征矢が河野と壁パスでワンツー・・・ところが河野は征矢の裏を走ってしまい、ワンツーパスは誰も居ないとこへコロコロ。しまいにゃ、自分で出したスルーパスを自分で追い始めるし。
お前は野人・岡野か!・・・しかも、追いつくし。
・ゆーきが右サイドで一対一を勝負。しかし、ここで奪われた。自陣の深いところから横河がいきなりスルーパス。それも、センターサークル付近にいた選手だけが気付いて猛ダッシュ。オフサイドをかけた為にこの二列目の選手を見ていなかった・・・もちろん、オフサイドは取れずに独走。
そのまま、GK高木と一対一。ここを冷静に流し込んで0−1と横河が先制・・・ま、まずいぞ。守備タイプのチームの先制は「全員守備」を意味する。ゴールの直後に前半終了・・・最悪のケースだ。
−後半−
・後半開始と同時に攻め方が変わってきた。ゆーきと征矢の壁パスだけで次々に横河DF陣を抜きにかかる。そして、PA内まで突き進んできてゆーきのシュートもGKがセーブ。その後、直接FKをゆーきが直接狙ってくるが外へ。結構、前に見たジェフ vs マリノスでのFK阿部勇樹直接ゴールで能活がっかりの
シュートに似ていた。覚えてる人いるかしら?
・どーも、セカンドボールが取れない。相手の読みの方が優れている感じだ。こうなってくるとヴェルディの方にも焦りというか、早くボールが欲しくって守備がおろそかになりやすいし後手後手になってしまう。そういう事で立て続けに動揺の色が見えてきて、
奥田、ゆーきがイエロー。うーん、焦ってきたか。
・ここまで封じられてきていた征矢が単独ドリブル突破を狙って倒れる。PA内に近かったが惜しくもFK。これを狙うのは誰なのか。昨年は弦巻、途中から素晴らしいFK精度を魅せ始めた征矢貴裕らが争った。しかし、今回のFKでは山村、征矢、ゆーきらが側に居る。果たして、狙うのは誰か・・・
これを思いっきり助走してきてどっかーんっ!!キャノン。征矢が思いっきり狙ってきた。ジャンプした壁の下を狙うグラウンダーだったが、GKの足に引っかかって得点ならず・・・ちっ。
・その後もゆーきや成田などの単独突破が目立ってしまい、なかなか効果的な攻めが出来ないヴェルディ。こういうときが一番恐い。案の定、クリアボールを前線で繋がれてしまい中央突破。これに飛び出した相手の選手がGKと一対一へ。
かるーく流し込んで0−2と追加点。見事なまでのカウンターでした・・・。
征矢 金沢 金沢
征矢 皆川
久保
攻 河野 久保木
河野 皆川 →撃→
時 奥田
奥田
成田 笠松 成田 笠松
寺田 マサ 寺田 マサ
高木 高木
・背番号5番FW金沢・・・今年もやるみたいです。まぁ、それもそのはず0−2ですからね。ロングボール大作戦ですよ。途中交代の途中交代で山村にかわって久保木。ゆーきに変わって皆川。
・サイドからの放り込みを中央で何故かフリーになれた征矢。ここまで3人に囲まれてつぶされてしまっていたので、フラストレーションも溜まっているだろう。さぁ、一発思いっきり征矢らしいシュートを叩き込んでくれ。
と思ったが意外にもシュートはボテボテ。でも、タイミングをずらされたかGKは何とかセーブ。ちっ、ぼてぼてでも入れば・・・。
・だんだん、観戦記にもネタ要素が少なくなってきた終盤。CKからファーサイドで待っていたマサ古川がヘッドで折り返す。ここでヘッドだけでピンボールというかオットセイというか・・・。こりゃ、駄目だなと思っていたところに成田の前にこぼれた。
これを思いっきり引っ叩いて成田のゴールで1−2。終了間際のゴールもこれで終了。惜しくも東京都U−17選手権は第3位決定戦へまわることになった。
12/11(日) 第13回Jユースカップヴェルディ元土グラウンド |
ヴェルディユース | VS | 横河武蔵野FC |
0 | 前−半 | 1 |
1 | 後−半 | 1 |
1 | 合−計 | 2 |
成田久人 | | ? |
−おまけ−
ま、そんな訳で個人的に気になった事をいくつか。
・見事なまでの守備力。うん、横河の堅さに負けたというところか。今年のヴェルディユースにはどこかゴリゴリゴールというか、力技が無さそうな感じしますね。それでも、まだまだ本番であるプリンスリーグ、クラブユース選手権までには時間があります。
これからのヴェルディユースの新しいサッカー、新しい柴田サッカーを魅せてもらいましょー。
−今日の受賞者−
MOM : −該当者無し−
MVP : FW 成田久人 初選出
・勝利に貢献した選手にはMOM、まぐが独断と偏見で選ぶのがMVP(まぐろん・バリュアブル・プレイヤー)だ。
うん、負けたのだからコレは仕方ない。終了間際に意地を魅せてくれた成田にMVP。相手の横河に物凄く突出した選手がいるわけではなかったのですが、全選手の高い集中力、守備力、プレス、運動量が最後まで
途切れませんでした。MOMは言うなれば横河の全選手ですかね。いやはや・・・参りました。
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